自分の写真が心配

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小さな町の写真館の物語
「自分の写真が心配」

アトリエの前で写真を眺めている70代の女性がいらっしゃいました

私はこの日初めてお話ししたのですが その女性は以前から気になっていたとのことでお店に飾られていた写真もすべて覚えていらっしゃるので大変驚きました
ご自分の遺影写真を二人の息子さんはどうやって選ぶのか心配されておりました

その理由はご主人が逝かれた時にどの写真を選ばれたかといういきさつにありました
慌てて写真を探されたという事もあってこれといった写真が見つからなかった事もありましたが 最晩年の写真で痩せて衰えた姿の写真を選んだというのです
女性はもう少しお元気な時の姿を選んではどうか と希望されたのですが
ありのまま そのままの姿がいいと 息子さん達の意思は変わらず女性は心残りがあったそうです

今も息子さん達は会う度にスナップ写真をたくさんとってくれるとのことだったのですが写真が苦手な女性にとって食べている時など不意に撮られる事が多く 気にいった写真とはほど遠いようです
自分の写真は7年ほど前に撮った写真があるにはあるけれど息子さんがその写真を選んでくれるか頼れないとのお悩みでした

私はエンディングノートを紹介し 事前にご自身のご希望を直接伝えておくことが大事ですとアドバイスいたしました
ご本人の生前の強いご希望があればご家族もむげにはならさないと思いますよと

女性はさらにお子さんが娘さんならまだ分かってくれると思うけど、息子さんとは何を重視するか あわないのと諦めていらっしゃるようでした
1時間ほど そういうお悩みを伺っていると女性は心が晴れてきたようで最後には冗談も交え アトリエでの撮影を試してみようかしらとやる気になられたようです
ご家族の方もこれがいいと思える写真があれば心配いらないと合点がいったご様子でした

ご本人によい写真をのこしたいという気持ちが芽生えればそれは写真にも必ず写ります 撮影が楽しみにされているのがうれしいです
いい写真を残すには 撮られる方の心がけしだい
よい撮影者とは よきコーチでありよきサポーターです
撮り終わったときは とっても楽しかったと
不思議とみなさまそうおっしゃいます
見せたくなる素顔 とっておき笑顔の写真スタジオ
アトリエさくら をよろしくお願いいたします

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